【重要】令 和 五 大 や る 夫 短 編 祭 開 催


詳しくはコチラ→http://mukankei961.blog105.fc2.com/blog-entry-8656.html


やる夫短編集 WP版あしゅら編→http://mukankei151.com/wp/
やる夫短編集 FC2版阿修羅編→http://mukankei151.blog47.fc2.com/
やる夫我執 愛と誠編→http://mukankei769.blog114.fc2.com/

※やる夫短編集は短編作品の保管依頼を募集しています。詳しくはやる夫短編作品 保管募集要項にて

やる夫短編集 阿修羅編 やる夫我執 愛と誠編
このブログについて 短編まとめ WPあしゅら編 twitter TOP絵募集中 やる夫RSS
メールフォーム やる夫ショートストーリーセレクション 令 和 五 大 や る 夫 短 編 祭 ロリ短編祭
  • (02/06)
  • (02/06)
Powered by RSSリスティング
Powered by RSSリスティング
Powered by RSSリスティング

■やる夫短編集 阿修羅編 検索欄

■2009/03/25(水) やる夫系AA紙芝居 ドグラ・マグラ 第四話


第一話第二話第三話


239 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 23:11:41.05 ID:xRu3z3go


┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__) 
         |     ` ⌒´ノ  さようで……その論文の内容もおっつけお眼に触れる事と存じますが
         |         }   単にその標題を見ただけでも、尋常一様の論文でない事がわかります
         ヽ        }   
           / 、  ヘミ|    
        /,` 、` -`,--` , 
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__  
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ ……革新的な内容だったのですか     
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘




視聴者カウント
アクセスカウンター
ゴールドカードクレジットカード比較CFD取引FXくりっく365




┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) 
          |     (__人__)  はい……その文体、そして内容も従来の型を破ったもので
             |     ` ⌒´ノ  教授の諸先生を唖然たらしむるものがありました
              |         }  
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                       
│ TALKING…  \  はあ 大学の先生方もさぞ面食らったのでしょうね               
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                ____________
                |     ==========.   ....;|
                |;;;;;;;;.卒業論文 教授会議   .;|
                | ;;;;;;;; .   ∧ ∧       ; ;;|
                |:::::     (・∀ ・)     ::::;;;;; |
           __,,..,,,,_ ̄ ̄ ̄ ̄ノ(<V>)ヽ ̄ ̄ ̄ ̄  ∧,,∧ コレハナイヨネー
          ./ ・ω・ヽ/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・` )
         |    /_            _  ⊂   |
       ∧ ∧ ///            \\ \ ∧_∧
        ( *‘ω‘) _                  _ (・ω・  ) ソウダネー
       ( / //                 \\ \  |
        _/_  ̄         __              _  \
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !当然、卒業論文銓衡の教授会議においてもこの論文は問題視されました
      |    ( ●)(●)  |この論文を卒業論文としてパスさせる事だけは即決否決という形勢に
      |     (__人__)  ヽなったものだそうです
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
                                                    







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         / ̄\
         |     |
          \_/
       ノ L__|___       )
       ⌒:::\:::::/::\      ヽ 異議あり!!
      / <●>::::<●>\ ,    )
     /    (__人__)   \,   `v'⌒ヽ/⌒ヽ/        ,. ‐- .. _
     |       |::::::|     |                   /  __  `` ー- 、
     |       |::::::|     |               , ィ/   ゝヽ ̄ヽ ー- '
     \       l;;;;;;l    /"             _ / { {ヽ、_   ヽ' ノ_,.〉
       \    `ー'    \_ -ァー- 、_ ... -‐ '    ヽヽ、 `>、..ノ=┘
       /j >-‐ ' ´/ /   /    /   _ノ      \ `ー '!
   , -‐ 7´/{⌒|  / _/   j                  >‐'
  / / //| 〉‐f/ \'    !   ´
 / ,' > .|/ レ   ゚ノ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !するとその時に席末に控えておられました斎藤先生が
      |    ( ●)(●)  |突然に立上られまして反対意見を吐かれました
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
                                                    







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                 / ̄\    __ノヽ、_ノヽ_ノヽ、_ノヽ_ノヽ、_ノヽ
                 |    |   )諸君らは分かってない!
                 \_/   <.精神医学の事、ぜんっぜん分かってない!
                   |     ノこの論文こそ第一位にすべきだ!
                /  ̄  ̄ \  ̄ヽ,.-- 、,. -‐-,.-- 、,. -‐-,.-- 、,. -‐- 、,. -‐-
         ∩     /  ::\:::/::  \ .   ∩
         l ヽ∩ /  .<●>::::::<●>  \ ∩ノ j
         ヽ ノ |    (__人__)     | ヽ ノ
          | ヽ \    ` ⌒´    / / j
        .  \  ̄ ───────  ̄  /
        .    \              /
             │             │       
         | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !学内唯一人の精神病専攻家としての立場から胎児の夢の論文の真価値
      |    ( ●)(●)  |を主張し卒業論文第一位に推薦したのでした
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
                                                    





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                      │            \                    /
     ∧,,∧  ∧,,∧       │             \  丶       i.   |      /     ./    
   ∧ (´`д´) (`Д´ ) ∧∧.  ..│              \  ヽ     i.   .|     /    /     
  ( `・Д) U) ( つと ノ(ヘ・´ ) . │               \  ヽ    i  |     /   /     /
  | U (  `・) (・´  ) と ノ   │           \
   u-u (l    ) (   ノu-u   │                       _____            
      `u-u'. `u-u'        │          ー          /        /│
                  . ....│         __          / 胎児の夢 / /           
────【審議中】──────┤┌──┘\      二      /       / /        = 二
   ◯                 ..│└──┐/    ̄        /        / /             
  ,-┴-、               .  │            -‐      三三三三三. /             ‐
 ( `・Д)ァ‐yへ、          .│            /  ┌────────┐
 /f'ヽj-'/> ., -^'~          .│                │ 卒業論文第一位 │     ヽ     
 〈 fy,/>/             .│            /  └────────┘    丶     \
                      │            /   /    /      |   i,      丶     
                  .. ...│          /    /    /       |    i,      丶   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !斎藤先生の斯様な主張が、ほかの諸教授たちの反感を買ったのは
      |    ( ●)(●)  |無論の事でありました……がしかし先生は該博深遠なる議論を以て
      |     (__人__)  ヽ一歩も退かずに主張し続けた結果、正木先生の『胎児の夢』が
       |     ` ⌒´ノ  l 卒業論文中の第一位に推さるる事になったのであります
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、




┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l ……が意外にも医学部の卒業式の当日に恩賜の銀時計を拝受すべき
        |    (__人__) | 当の正木医学士がいつの間にか行方不明になっている事が
        |    ` ⌒´ |  発見されまして、又も人々を驚かしました
         |         } 
         ヽ        } 
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘ ホウ 卒業式の当日に行方不明……どうしてでしょう                                         
│ TALKING…  \                     
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘




┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) ……私にもその真相は解かっていないので御座いますが
          |     (__人__) ……おそらく正木先生は、御自分の書かれた『胎児の夢』の主人公に
             |     ` ⌒´ノ  脅やかされて行方をくらまされたものではないか
              |         }  ……と推測しております
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                       
│ TALKING…  \  ……胎児の夢の主人公……胎児に脅やかされて……              
│              何だか僕にはよく解りませんが……                                         
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l 今のうちは、お解りにならぬ方が宜しいと思います いずれ貴方が
        |    (__人__) | 御自身の過去の記憶を回復されました暁には、その『胎児の夢』の
        |    ` ⌒´ |  詳細をお察しになる事と存じます
         |         } 
         ヽ        }  その時のために特に御注意を促しておきます次第です
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘               
│ TALKING…  \   はあ そうですか……                  
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘






        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !さてその当学部第一回の卒業式が、正木先生の御欠席のままで
      |    ( ●)(●)  |終了致しますとその翌日、学部長の手許に正木先生からの書信が参りました
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
        |                    |
        |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____   ――自分は胎児の夢を理解してくれる人間が
      /              /ヽ__//   現代に存在していようとは思わなかった
      /  探さないで下さい  /  /   /   落第を覚悟して提出したものであったのに
     /              /  /   /    学部長閣下と、斎藤先生に推薦されたという事を聞いて
     /   ____     /  /   /     長嘆これを久しうした……
   /             /  /   /
  /             /    /   /
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  / o゚((●)) ((●))゚o \  あの論文の価値がこんなに易々と看破されるとは思わなかったんだお
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /


       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \  きっとやる夫の研究が浅薄であったに違いないお……
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /


       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  だから旅に出て、もっと凄い大研究を遂げてみせるお!
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /               PS 恩賜の銀時計はそっちで預かっておいてください
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !云々というのでした
      |    ( ●)(●)  |当時の学部長はこの手紙を斎藤先生に見せて「どこまでも人を喰った男だ」
      |     (__人__)  ヽと云って大笑いをされたという事ですが……
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) 
          |     (__人__) 
             |     ` ⌒´ノ  そして正木先生は八年間の欧州遊学、学位修得の後 大正四年に帰国
              |         }  今度は漂浪生活を初められました
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                       
│ TALKING…  \ 漂浪生活ですか……どこまでも自由な人ですね         
│                                      
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)  さようで……そして正木先生は全国各地の精神病院を訪問したり
         |     ` ⌒´ノ  各地方の精神病者の血統に関する伝記、伝説、記録系図等を探って
         |         }   研究材料を集められる傍ら、『キチガイ地獄外道祭文』と題する小冊子を
         ヽ        }   一般民衆に配布して廻られたのです
           / 、  ヘミ|    
        /,` 、` -`,--` , 
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__  
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ ……キチガイ地獄……外道祭文……                    
│             それはドンナ事が書いてあるのですか                                          
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                ┌───────────┐
                │┏━━━━━━━━━┓│
                │ キチガイ地獄外道祭文 │
                │┗━━━━━━━━━┛│─────────┐
                │                │             │┐
                │  一命狂人の暗黒時代 │――アア――あああ ││
                │                │             ││
                │                │スカラカ チャカポコ  ││
                │墺国理学博士.       │             ││
                │独国哲学博士.       │             ││
                │仏国文学博士.       │.ャカポコチャカポコ. .││
                │                │             ││
                │ .面黒桜万児作歌..    │             ││
                └───────────┘             ││
                               │ナント恐ろしキチガイ地獄 ││
                               │サテモ恐ろし精神病院   ││
                               └───────────┘│
                                 └───────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !要約しますと 現代社会に於ける精神病者虐待の実情と、監獄以上に
      |    ( ●)(●)  |恐ろしい精神病院のインチキ治療の内幕の曝露とでも申しましょうか
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) 
          |     (__人__) 
             |     ` ⌒´ノ 正木先生は自分自身で木魚を叩いて、その祭文歌を唄いながら
              |         }  このパンフレットを民衆に頒布してまわられたのです
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                       
│ TALKING…  \ ……自分自身で……木魚をたたいて……       
│                                      
└──────┘  └────────────────────────────┘







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

          ____     
        /⌒  ⌒\   
      /( ●)  (●)\  
     /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ スカラカ チャカポコ♪
    |      |r┬-|     |
     \      `ー'´     / チャカポコ チャカポコ♪
     /     /⌒`ー-‐ 、
   /  ((Ο━ヽy_ノ__)
   (   γ ⌒ヽ     「
   ヽ   i  ─┤    │
     `ーつ-─′          
       ポコポコ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !さよう……ずいぶん常軌を逸したお話ですが、正木先生にとっては
      |    ( ●)(●)  |それが極めて真剣なお仕事だったらしいのです
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l  
        |         }   ヽ、
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_____ ┴┬┴┬|        |    _____                                            _      ..|   
 |     |┬┴┬┴|        |    |         .|        __         __                 ...|   
 |     |┴┬┴┬|        |    | | ̄ ̄ ̄| |      ||  |  ||     ||  |  ||           __      .|   
 |     |┬┴┬┴|        |    | |___| |      || ̄| ̄||     || ̄| ̄||        /⌒ ⌒\  .. .|   
 |     |┴┬┴┬|        |    |         .|         ̄ ̄         ̄ ̄        /( ●) (●)\ .|   
[|]    ..|┬┴┬┴|      /|   . ...|[]       .|                           |:::::⌒(_人_)⌒::::|....|   
 |     |┴┬┴┬|   ..../:.:.:|    ....|         .|                           \   ヽ_ノ   /  |   /
 |     |┬┴┬┴|. ~./:.:.:.:.:.|    ....|         .|                             (( ( つ ヽ     | /
 |     |┴┬┴┬|/.:.:.:.:.:.:.:.:| ~圓圓|         .| 圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓〉 とノ ) ))圓|/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(__ノ^(_) ̄
                         ∧_∧                         チャコポコチャカポコ
                         (・∀・ )ムシ ムシ……
                         (    )
                          Y  人              ∧,,∧,シッ キチガイヨ メヲアワセチャ イケマセン      
                         (__)__) ))           (   )   ∧,∧   
                                           │  _⊃とミ_;,゚Д) ヘンナ オジサン ガ イル! 
                                           (   ~   ミ  ,,⊃ 
                                           (_,r' し   ~ミ_,,  )    
                                                  (_、(_,r' 、.:з
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !しかし本気になって共鳴する者が無かったらしく、とうとう世間から
      |    ( ●)(●)  | 黙殺されてしまいましたのは、返す返すもお気の毒なことでしたが……
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l  
        |         }   ヽ、
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)  ただ正木先生は結果なぞは少しも問題にしてはおられなかったようで
         |     ` ⌒´ノ  将来開設されるであろう『狂人解放治療』の実験に対する
         |         }   準備事業の一つとして、斯様な宣伝をされたものと考えられるのです
         ヽ        }  
           / 、  ヘミ|    
        /,` 、` -`,--` , 
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__  
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ それじゃ……やっぱり……僕を実験にかける準備……          
│                                              
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l 
        |    (__人__) | さようさよう……前にも申しました通り、正木先生の頭脳は
        |    ` ⌒´ |  吾々の測り知り得る範囲を遥かに超越しているのであります
         |         } 
         ヽ        }  一見突飛なその行動も、解放治療の開設に関する何等かの
          ヽ、.,____ノ   準備的な御苦心が含まれている事は、否まれない事実と考えられます
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘               
│ TALKING…  \  ……それで正木先生は漂浪生活の後ドウシテここに?              
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘




┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                       /||ミ
                      / ::::||
                    /:::::::::::||____
                    |:::::::::::::::||      || ガチャ
                    |:::::::::::::::||      || 
                    |:::::::::::::::||      || 
                    |:::::::::::::::|| ̄ ̄\ ||
                    |:::::::::::::::|| ノΞヽ.\
                    |:::::::::::::::||)―(◎) \  
                    |:::::::::::::::|| (_人_)))::::: |  
                    |:::::::::::::::||___   /
                    |::::::::::::::(_____ノ´||  
                    |::::::::::::::(_ノ / . . . ||  
                    |:::::::::::::::||/    ||       
                    |:::::::::::::::||      ||
                    \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
                      \ ::::||
                       \||
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !……然るに去る大正十三年の三月の末、忘れもしませぬ二十六日の
      |    ( ●)(●)  |午後一時頃の事でした 卒業されてから十八年の長い間、全く消息を
      |     (__人__)  ヽ絶っておられた正木先生が当大学、法医学部の私の居室を
       |     ` ⌒´ノ  l ノックされましたのには、流石の私もビックリ致しました
        |         }   ヽ、
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !それにしても、どうして突然に帰って来られたのかとお尋ねしますと……
      |    ( ●)(●)  |
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ、
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::     ..┃
   . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::       .┃ ┌───────────────┐
  . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :┌─────────┐ ...┃ │で、こっちに十八年前預けておいた..│              
           ___ . . .: : :::::│駅前で上物の金時計│.....┃ │恩賜の銀時計がもし有るならばと  │             
         /     \ . . .: ∠スラれた…….      │ . ┃ │思って来たんだお           │
       / ,⊆ニ_ヽ、 ヽ .::└─────────┘ . ┃ └─────∨─────────┘ 
       |/ r─--⊃、 lー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::     .┃      ____
      イ  _`二ニニう V │. .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::      .┃    /~Ξ ~\
     /  /    ヽ    │ . :. :. .:: : :: :: :::::::: : :::    ..┃   /( ◎)Ξ(◎)\
    │  /      丶   │ . :. :. .:: : :: :: :::::::: : :::   . .┃ /:::::( ((__人__)))::: \
 ̄ ̄ ̄l_,ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄              .┃ |     |r┬-|     |
                                    ┃ \      `ー'´     /
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       ____
     /~~~\
   /( ◎)―(◎)\ 
  /:::::( ((__人__)))::: \     ついでに諸君をアッといわせるような手土産をと思って
  |    mj |⌒´     |     論文みたようなものを全速力で書き上げて来た
  \  〈__ノ       /     面倒だろうが学部長である若林君の手を経て提出してくれんかの              
    ノ   ノ   ホジホシ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !というお話です そこで……保管してありました時計は、すぐに
      |    ( ●)(●)  |下附される事になりましたが、その時に正木博士が提出されました論文こそ
      |     (__人__)  ヽ世界の学界を震駭させるであろうと斎藤先生が予言されました
       |     ` ⌒´ノ  l 『脳髄論』であったのです
        |         }   ヽ、
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、




┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \  ……脳髄論……                   
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          _________________
          |ヽΞ三三三三三三三三三ΞΞΞΞΞΞ: ヽ
          | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |.                         ..|
          | |                            |
          | |                            |
          | |        ┌────┐           .|
          | |          脳 髄 論.          .|
          | |        └────┘           .|
          | |..                         ...|
          | |.                         |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                 正木やる夫.  |
          'ヽ|_________________|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !さよう 脳髄論と名づくる三万字ばかりの論文でした その内容は
      |    ( ●)(●)  |『胎児の夢』とは正反対に厳粛、荘重を極めたもので 今日まで何人も
      |     (__人__)  ヽ説明し得ず、立証も実験もし得なかった脳髄の不可思議な機能を
       |     ` ⌒´ノ  l 明白にされたのです
        |         }   ヽ、
        ヽ        }  ∠_ 
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


                  / ̄\
                  |    |
                  \_/
                    |
                 / ̄ ̄ ̄\   むむ これは……凄い……
               /   :\:::/::\
              /  u .<●>::::::<●> \
             .|       (__人__)    |  __
              \   u  ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒  /
              (⌒\     / 脳髄論/    /
              i\  \  ,(つ    /   ⊂)
             .|  \   y(つ    /,__⊆)
          
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !専門の関係上、この論文を一番最初に見られた斎藤先生は
      |    ( ●)(●)  |非常に驚かれまして、それから約一年ばかりの間寝食を忘れて
      |     (__人__)  ヽこの論文を研究されました
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽそしてやっと昨年……大正十四年の二月の末に、ひと通りの審査考究を
        ヽ        }  ∠_終られますと、その翌日の早朝に現、松原総長を自宅に訪問されまして
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             / ̄\
             |     |                  |     | |     |
             \_/                   |     | |    |
            / ⌒`"|⌒`ヽ                 |      | |    |
           /,, / ̄ ̄ ̄ ̄\                   |     | |     |
          /,//::         \             |     | |    |
         ;/⌒'":::..            |⌒ヽ          | ,     | |    |  ←現、松原総長
       /  /、:::::...           /ヽ_ \          |ノ    、| .|   、|
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、   /⌒`ー'⌒  )         ノ_____,ゝソ___ゝ
    ━━━`ー──ゝィソノー‐ヾy_ノー─"        _ノ゙ ̄⌒^⌒} .{ ⌒^⌒}
                                'ニ===⊂⊃=} {=⊂⊃=}
┌──Λ──────────────────────────────────────
│……私は今日限り、九大精神病科の教授を引退しまして、後任に正木君を推薦致したいと思います
│もし他の大学に同君を取られるようなことがありますと、この大学の恥辱になると思いますから……
└─────────────────────────────────────────

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !と暗涙を浮めて懇願されました
      |    ( ●)(●)  |
      |     (__人__)  ヽしかし正木先生はそれっきり宿所も告げずに、又も行方をくらまして
       |     ` ⌒´ノ  l しまわれました
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) 
          |     (__人__) 現、松原総長は斎藤先生を押しなだめて、留任を希望する一方
             |     ` ⌒´ノ この論文を学位論文として正木先生に学位を授くる事に内定した
              |         } ……という事が、やはり学界の美談として伝えられております
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘それじゃこの斎藤先生は、正木先生に後を譲るために  
│ TALKING…  \ お亡くなりになったようなものですね            
│                                      
└──────┘  └────────────────────────────┘







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l ……その通りです 
        |    (__人__) | あの斎藤先生は、正木先生が学位を受けられてから間もない
        |    ` ⌒´ |  昨年……大正十四年の十月十九日に突然に亡くなられたのです
         |         }  しかも変死をされたのです
         ヽ        }  
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘               
│ TALKING…  \  ……エ……変死……     
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     |┃三        / ̄\                           
     |┃         |     |                          
     |┃          \_/                              ○
 ガラッ. |┃            |                                |
     |┃  ノ//   ./ ̄ ̄ ̄ \                         / ̄:::: ̄\
     |┃三    /        \                      /:::─:::::::::─:::\
     |┃     /            \.     ..┌──┘\      /  <○>::::::<○>  \
     |┃     |              |      └──┐/      |    (__人__)    |
     |┃三   \           /                   \     `⌒J´   /
     |┃三    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \                      /              \
                  さて 帰るか……
            ┌─────┐                  ┌──────────────┐
            │十月十八日│                 │ 十月十九日溺死体となって発見 │
            └─────┘                 └──────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   ! ……そうです斎藤先生は昨、大正十四年の十月十八日
      |    ( ●)(●)  | いつも通り仕事を片附けてこの部屋を出られたのですが
      |     (__人__)  ヽ それっきり自宅には帰られませんでした……
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }    そうして翌朝、筥崎水族館裏手の海岸に溺死体となって発見されたのです
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、


┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ 溺死体……
│                                              
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) 
          |     (__人__) 
             |     ` ⌒´ノ 急報によって警察当局や、私共が駈け付けまして調査致しました結果
              |         } 多量に飲酒しておられた事が判明致しました
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘  飲酒ですか……
│ TALKING…  \ 
│                                      
└──────┘  └────────────────────────────┘




┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄\                                      // / //  /  //
       |     |                   ○  o                // / //  /  // 
        \_/                    ( ヽr 、             // / //  /  //   ┃ ┃┃
          |                   .     \ \\     / ̄\     //  /  //    ┣━
     ;  /  ̄  ̄ \                    \o       |    |     //  /  //     ┃
   ;  / ノ   \ \ ;               ○Oヽ  )      \_/    //  /  //      
  ,  /  <─>::::::<─>  \;            o \ヽ_)         |   .  //  /  //      ━╋━┃┃
  ; | /// (__人__) ///  |              (           ;  /  ̄  ̄\   /  /  ○  ┃┃┃
  ′ \    ` ⌒´    /            o       )    ;   / ノ   \ \      (
    ./  ⌒ ̄ ̄`r:´> ) :    .┌──┘\   ̄ ̄)       /  <─>::::::<─> \      ̄ ̄ ̄ ) ━  ┃
    (_ニニ> ‐'´/' (/ ;     └──┐/ .   ( ̄ ヽ≦ ; | /// (__人__) /// | /    (_     ━━┛
    ; |     | ;                       ニニ ≦三三三三三三三三三≧      )
    ' \ ヽ/ / : ウーイ ヒック        o  > ノ ノ          ニニニニニ      <
    , / /\\ .                   O p/ / ) / :/     ブクブク        ─○
    ; し’ ' `| | ;                    ( / / )  / /⌒o Y⌒     \\ (   o
          ⌒   フラフラ             ○   o O  ○   | /       ⌒ヽ )ヽ\\)
                                    //    Y   ○ O          ) ○
                                   ○      O
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !多分 帰宅途中、誰か極めて懇意な人に出会って
      |    ( ●)(●)  | 久方振りに脱線された結果、帰り道を間違えて、
      |     (__人__)  ヽ あすこの石垣の上から落ちられたものであろう……という事になっております
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }    
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__) 
         |     ` ⌒´ノ   斎藤先生はタッタ一人でお酒を飲まれるのは自宅の晩酌以外に
         |         }     絶対に無い事は判明しておりますので……
         ヽ        }   
           / 、  ヘミ|    
        /,` 、` -`,--` ,  
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__  
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ ……その一緒にお酒を飲んだ人は、まだわからないのですか          
│                                              
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) ……左様……今だに判明致しませぬが
          |     (__人__) これは余程デリケートな良心を持った人でなければ
             |     ` ⌒´ノ 名乗って出られますまい
              |         } 
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘  
│ TALKING…  \ それでは斎藤先生の死は、それだけの意味で
│             おしまいになったのですね                         
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l  さよう まことに呆気ないものであったのですが
        |    (__人__) |  しかし、その結果から申しますと後に大きな意味を含む事になったのです
        |    ` ⌒´ | 
         |         } 
         ヽ        }  
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘               
│ TALKING…  \  そ それは一体どんな……          
│                                                       
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   / ̄ ̄\
                 / ノ  \ \
                 |  (●)(●) |  すなわち斎藤先生の死は、正木先生が当、九大精神病科の
                 |  (__人__)  |  この椅子に座られる直接の因縁となり 更に
                   .|   ` ⌒´  .}  貴方と、あの六号室の令嬢とをこの教室に結び付ける
                 .|        .}   間接の因縁ともなったのです
                  ヽ     .  }  
           ___._,r、   Yヽ     ノトj 
         /`ヽ_j'、_ノ ̄l!'´ヾ- 、_`_¨   」、
          ∧::::,ノ  Yヽ:::::::l:::::::ヽ     7ヽ~ヘヽ.、       
       /-'´「 ヽ ヽj_. l:::::::::::ト、  /〃ハ  |::ヽ::`:ヾ 、_  
      r'´, イ ヽ、 `,__,ィ、__)|::::l:::::ヾヽ∧'〃ノ゙ヽl:::::ヽ:::::ヽj`ヽ  
      /::'´:::::ト、  Yrイ:::::∧l::::',:::::::ヽ  Tヘ',   l::_..ノ:::::::::l::j::::',
      ,′:::::::::.}、二ィ }::::/:::::::l::::ヽ::::: ', |、、ヘ. |::\:::::::/::}.::ヘ
      i::::::::::::::::トz'_ノ,イ:::::::::::::::|:::::::',.:::::::', l、ヽヘ |:::::::|::::::::::::::j/::l
     |:::::::::::ノ \¨7/::::::::::::::::::l:::::::ト、:::::ヾ 、ヽ ',.l:::::::lー-:://:::::|
     ゝ─'-- -r-`'::::::::::::::::::::::l:::::::',.ヽ::::ヽ ヽヽ!:::::| ̄:::::/j:::::::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐ 
│  調べる         │  
│ニア考える         │  斎藤先生の死から 全てが始まったということか……
│  移動する       │  
│  持ち物          │  
│               │  
│  オプション       │  
└──────────┘ └──────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)    しかしこの因縁の詳細はやはり
         |     (__人__)     貴方御自身の過去の御記憶を回復されました
         |     ` ⌒´ノ    後でないと、確定的な推測が出来ませぬ……
         |         }  
         ヽ        }  
           / 、  ヘミ|   
        /,` 、` -`,--` ,  
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__  
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ アッ……そ……そんな事まで、僕の記憶の中に……        
│                                              
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l 
        |    (__人__) |  そうです。貴方の過去の御記憶の中には、そのような疑問の数々を
        |    ` ⌒´ |  解くのに必要な、大切な鍵までも含まれているのです
         |         } 
         ヽ        }  
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐ 
│  調べる         │   やはり私は一連の事件の重要人物なのだろうか
│ニア考える        . │   だが……ここまで何も思い出すことができていない
│  移動する       │  
│  持ち物          │  
│               │  
│  オプション       │  
└──────────┘ └──────────────────────────┘



┌──────┐ ┌────────────────────────────┐
│           ─┘               
│ TALKING…  \ ……ハア。ではその行方不明になられた正木先生は        
│             どうしてこの大学に来られるようになったのですか                
└──────┘  └────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
              ┗0=============0┛
     \===========[_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_]===========/
     /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
    0 │ |∞∞∞ |::|∞∞田田田田田田∞∞|::|∞∞∞ | ::|  0
 ...[二] | ::|       |::|┏━━━━━━━━┓|::|       | ::l [二]
........|□|.│ |┌┬┐ |::|┃  /        \  ┃|::| ┌┬┐| ::|. |□|
  )三(...| ::|├┼┤ |::|┃/  / ̄\    \┃|::| ├┼┤| ::|`)三(´
   | ::| | ::|└┴┘ |::|┃    |    |    ┃|::| └┴┘| ::| | ::|
   | ::| | ::|┌┬┐ |::|┃    \_/   .....┃|::| ┌┬┐| ::| | ::|
   | ::| | ::|├┼┤ |::|┃    _|_      ┃|::| ├┼┤| ::| | ::|
   |: :| | ::|└┴┘ |::|┃  /_ノ ヽ_\   ...┃|::| └┴┘| ::| | ::|
   | ::| | ::|┌┬┐ |::|┃ / (⌒ ⌒) \  ..┃|::| ┌┬┐| ::| | ::|
   | ::| | ::|├┼┤ |::|┃( ::::: (_人_) ;:::: ) .┃|::| ├┼┤| ::| | ::|
   | ::| | ::|└┴┘ |::|┃ >   `‐'   <. ...┃|::| └┴┘| ::| | ::|
.....┏━━━━━┓| .|┃             .┃|::|┏━━━━━┓
.....┣┳┳┳┳┳┫|: |┗━━━━━━━━┛|::|┣┳┳┳┳┳┫
     ○    ●        ∫∬∫∬        ●    ○
     ○○  ●●      iiiii iii ii iiii       ●●  ○○
    [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]   ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)    [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]    ./ ̄ ̄ ̄\      
    |_○_|  .|_○_|     |_____|     |_○_|  .|_○_|   /;    . . : : : \    
 ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ /     . . : : : : : .\   
.( ゚Д゚ )(    )(,    )(,,    )    ,,)(    )(    )|         . : : : : : : : | .  
                                      \_    . : :〃: : : :,/  )))   
                                       /⌒` . . : : : : : : :`ヽ.   
                                      / . . . . : : : :..: : : : : ,: :ヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !それは斯様なわけです ちょうど斎藤先生の葬儀の式場に
      |    ( ●)(●)  | 正木先生がどこからともなく飄然と参列しに来られたのです
      |     (__人__)  ヽ多分 新聞の広告を見られたものと思われますが……
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }  ∠_
        ヽ        }    ^ー――――――――――――――――――――――――――――― 
       ヽ、.,__ __ノ   
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                 __        /
                           _rvヘ-''"´..:::::::::::.. ̄`ヽjヽ ,'  い. そ 
                          >...:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::.:.:... ノ |   う  の 
                          (rソ:::::::::::::::::::::::,ィ:::,、:::::::::.ヽ. |  の  ま 
                           (/::(:r'ハ::f(/ノィノイ(::::::::::! |  か ま 
         _____           ゝ(.ン=≧-、`lニニ二r |r-、! |  い 逃. 
       /:::::::      \           ハ!'´li゙}゙f|  '´lリ` |l}、l| .〉  ? げ 
      /::::::::::::::::: : :. :. . . . .\         l l;  ̄.ソ     ̄ j「ノノ! |.      る. 
    /::::::::::::::::::::::::: : : :.u. :. .. . \        ヾ!  Lャ-     ,!r':::リ|       っ 
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::: : : :. :. :. .. . . \        ',  ーニ-''"  ハ::::f′\    て
 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : :. :. u:. . . . \        i、  ー' /! ぐリ   \         /
 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. :. :. . . . .  |      _」 \_/ ,!  `ヽ、     ̄ ̄)厂 ̄ ̄
 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. :. :. :. . . . . |  ‐''"´ |i    , ′    `ー- 、..__
  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : :. :. . .. / ‐- _ ′!    /  !  _,..、 ''"´  ``丶、
   \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ヾ    ̄`` r┴'''"´ ̄   -''゙       ヽ.
   _、-''             >'´, ,`´  ̄\へ    ,i         i′         ゙;┌────┐
=ニ´_               i′/ / /  ィ‐-L.._\  ,!         :l           i│松原総長│
                 ヽl'' { j= r′   `ヽ、 l          ' 、       ..::|└────┘
                   \ヽノ .ノ         ヽ|             ゙!       ::::|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !……それを松原総長が、葬式の済んだ後でつかまえまして
      |    ( ●)(●)  | その場で斎藤先生の後任を押付けてしまったものです
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l  これは非常な異式だったのですが、あれ程に人格の高かった
        |         }   ヽ  斎藤先生の遺志を、外ならぬ総長が取次だのですから
        ヽ        }  ∠_  総長のやり方を、異様に思う者はありませんでした
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――                           
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       ___
      /~~~\
    /  ~~~ \
   /   -(◎)―(◎) \ あく迄も独力で研究したかったんだお……
   |  u ( ( (__人__)))  | 大学の先生になると、好きな木魚が叩かれないし
   /     ∩ノ ⊃  /  第一、持って生れた漂浪性が発揮出来ないからナア……
   (  \ / _ノ |  |
   .\ “  /__|  |
    . \ /___ /

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !正木先生はしょげ返って云われましたが、これを聞いた松原総長が……
      |    ( ●)(●)  |
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――                           
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、




┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                 _rvヘ-''"´..:::::::::::.. ̄`ヽjヽ ,' 今更、文句を云われても取返しが附きませんよ。
                >...:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::.:.:... ノ |  これは斎藤先生の霊に招き寄せられた
                (rソ:::::::::::::::::::::::,ィ:::,、:::::::::.ヽ. |  貴方の方が悪いのですからね……
                 (/::(:r'ハ::f(/ノィノイ(::::::::::! | 木魚ぐらいはイクラ叩かれても宜しいから
____           ゝ(.ン=≧-、`lニニ二r |r-、! | 是非一つ成仏して頂きたい
:::      \           ハ!'´li゙}゙f|  '´lリ` |l}、l|
:::::: : :. :. . . . .\         l l;  ̄.ソ     ̄ j「ノノ! |. 
::::::::: : : :.u. :. .. . \        ヾ!  Lャ-     ,!r':::リ|
:::::::::::: : : :. :. :. .. . . \        ',  ーニ-''"  ハ::::f′\ 
:::::::::::::::::: : :. :. u:. . . . \        i、  ー' /! ぐリ   \         /
:::::::::::::::::::::::::. :. :. . . . .  |      _」 \_/ ,!  `ヽ、     ̄ ̄)厂 ̄ ̄
:::::::::::::::::::::::::. :. :. :. . . . . |  ‐''"´ |i    , ′    `ー- 、..__
:::::::::::::::::::::::::: : :. :. . .. / ‐- _ ′!    /  !  _,..、 ''"´  ``丶、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ヾ    ̄`` r┴'''"´ ̄   -''゙       ヽ.
       >'´, ,`´  ̄\へ    ,i         i′         ゙;
      i′/ / /  ィ‐-L.._\  ,!         :l           i
       ヽl'' { j= r′   `ヽ、 l          ' 、       .::|
        \ヽノ .ノ         ヽ|             ゙!       ::::|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !
      |    ( ●)(●)  | と云われましたので、皆、場所柄を忘れて腹を抱えた事でした
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――                           
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●) 
          |     (__人__) ……正木先生は、それから間もなく当大学に就任して来られますと
             |     ` ⌒´ノ 『狂人の解放治療』という実験を実際に着手されまして
              |         }  又も異常な反響を一般社会に喚起される事になったのです……
              ヽ        }  
            ヽ、.,__ __ノ  
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐ 
│  調べる         │  斎藤先生の死、正木先生の実験、六号室の少女
│ニア考える.         │   記憶のない私……これらが全てひとつの因縁の糸で
│  移動する       │  繋がっているのか
│  持ち物          │  
│               │  
│  オプション       │  
└──────────┘ └──────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                      ┌────────────┐
                      │       / ̄\...     ...│
                      │       |    |      .│
                      │       \_/..     ....│
                      │         |   ..    ....│
                      │     /  ̄  ̄ \     .│
                      │    /  ::\:::/::  \..  ...│
                      │  /  .<●>::::::<●>  \   │
                      │  |    (__人__)     |. .│
                      │  \    ` ⌒´    /  .│
                      │   /,,― -ー  、 , -‐ 、  .│
                      │  (   , -‐ '"      ).....│
                      │   `;ー" ` ー-ー -ー'  ..│
                      │   l           l . . . .│
                      └────────────┘

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐ 
│  調べる         │  
│ニア考える          │   そしてそれは斎藤先生の死から全てが始まった……
│  移動する       │  
│  持ち物          │  
│               │  
│  オプション       │  
└──────────┘ └──────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                      │  \    ` ⌒´    /  .│
                      │   /,,― -ー  、 , -‐ 、  .│
                      │  (   , -‐ '"      ).....│
                      │   `;ー" ` ー-ー -ー'  ..│
                      │   l           l . . . .│
                      └────────────┘
                       ┌──────────┐   
                       └┬────────┬┘
                        │             .│  
                        │  ┓   ┏━┓...│
                        │  ┃   ┃  ┃...│ 
                        │  ┃   ┗━┫...│
                        │  ┃      ┃ .│
                        │  ┃      ┃ .│
                        │            . │
                        │大正十五年 十月 │ 
                        └────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐
│ニア 調べる        │   
│  考える         │   ……ん?
│  移動する       │   斎藤先生の写真の下に懸かっているカレンダーの日附……
│  持ち物          │  
│               │  
│  オプション       │  
└──────────┘ └──────────────────────────┘






┌──────┐ . ┌────────────────────────────┐
│           ─┘……あの斎藤先生の写真の下に懸かっているカレンダーの日附は  
│ TALKING…  \ 大正十五年の十月十九日……
│             斎藤先生が亡くなられてから、ちょうど丸一年目の日附ですね          
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l 
        |    (__人__) | 
        |    ` ⌒´ |                   ……よくあれにお気が付かれましたね
         |         }  
         ヽ        }  
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌────────────────────────────┐
│           ─┘
│ TALKING…  \         え……
│             
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)    あなたの過去の御記憶は
         |     (__人__)     もはや皮一重というところまで御回復になっておりますようで……
         |     ` ⌒´ノ    
         |         }  
         ヽ        }     何をお隠し申しましょう あのカレンダーは
           / 、  ヘミ|      今から約一箇月前の日附を示しているので御座います
        /,` 、` -`,--` ,     今日は大正十五年の十一月二十日ですから……
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__  
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌────────────────────────────┐
│           ─┘                                          
│ TALKING…  \ それが……どうして、そのまんまになっているのですか
│                                              
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l  正木先生は、あの翌日亡くなられたのです……
        |    (__人__) |  しかも、ちょうど一年前に、斎藤先生が溺死を遂げられた
        |    ` ⌒´ |  筥崎水族館裏の同じ処で、投身自殺をされたのです             
         |         }  
         ヽ        }  
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌────────────────────────────┐
│           ─┘
│ TALKING…  \  ……正木先生が……自殺……       
│             
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 明           明             大              大      大     大      大
 治           治             正              正      正     正      正
 三           四             四              十      十     十      十
 十           十                             三      四     五      五
 六                                                10/19   10/20   11/20  
┣┳━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━┳━━━━┳━━━┳━━━━┫
┌────┐┌────┐        ┌──┐          ┌──┐  ┏━━┓ ┏━━┓  現在
 正木氏      卒業   ─────→ 帰国  ──────→ 脳髄論    斎藤氏   正木氏 
          胎児の夢  ┌───┐ └──┘ ┌────┐ 提出     溺死体   自殺
 大学入学   卒論一位に  欧州遊学          外道祭文   └──┘   発見   ┗━━┛
└────┘└────┘ 学位修得          各地で配布         ┗━━┛
                  └───┘        └────┘         

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌─────────────────────────────┐ 
│  調べる         │  この精神病科教室の主任教授となった人が二人ともちょうど一年おきに
│ニア考える          │   しかも場所まで同じ海岸の潮水に陥って変死する……
│  移動する       │  
│  持ち物          │  ……そんな恐ろしい暗合が、果して在り得るものであろうか……
│               │  
│  オプション       │  
└──────────┘ └─────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l 
        |    (__人__) |  ……繰り返して申します……正木先生は自殺されたのです
        |    ` ⌒´ |  どうしても自殺されなければならぬはめに陥って来られたのです         
         |         }  
         ヽ        }  
          ヽ、.,____ノ 
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌────────────────────────────┐
│           ─┘
│ TALKING…  \ ……
│             
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                 /::::::::::::::::ヽ::::::ヽ `/)乙二ス、         ヾ>、   ‐_,.ィ"l´          
               /:::::::::::::::::::::::::::ヽ::::;/ ーンノハヾ,!}     r ̄`ヽ\.´....,!/ |`ヽ          
              /::::::::::::::::::::::::::::::/^i´    /(_, イヽ   /  ..... :`ヽ、\,/ / .ヽ         
           .   i:::::::::::::::::::(⌒/:::::::::::l,r‐ァ''";!/:i,  |:::::::゙! /     ..:..  \../  . : ,|         
              !:::::::::::::;:、-'":::::::::::::::::::|::/::::;:':{;::::i, |:::::::::} !     .. :..   \ |  |         
              }::::::;:::'::::::::::::::::::::::::::::::::|'::::;:':__:i;::::::i, l;:::::::: : :. i   .. :..   ヽ|  |          
              |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:':::|ll|::l;:::::ヽ.',:::::;!    ヽ _,,..、..、-‐ 'i  ゝ,         
              ,!:::::::::(⌒)::::::::::::::::::::::::::|::::::|ll|,r;|:::::::::'J:/     ゙i      ..ノ .: )         
           .   |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::|ll|/::|:::::::::::iノ    ``ヽ、  __,,. r=ニ=ュ __         
              |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|,./'ii'彡|::::::::::::゙!     r=''.,,´__::::::(   )::::`_,''=ォ     
                                       └- 、.,,__`''''ー:--:‐''''´ _,. -┘     
                                     ヽ.     |::::::::_`::''''┬t‐‐'_"::::|       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !今すこし具体的に申しますと 正木先生の精神科学の実験は
      |    ( ●)(●)  | 貴方とあの六号室の令嬢が、めいめいに御自分の記憶を回復されまして
      |     (__人__)  ヽこの病院を御退院になって、結婚生活に入られる事になって
       |     ` ⌒´ノ  l 完成される手筈になっていたので御座います
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――                           
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    o
                      ゝ;:ヽ-‐―r;;,               。
                  ,,_____冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\      ,,,,,,,, o  /
                  "`ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从    (;:;:;:;:ヾ-r
                     〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:) 0  ソ;:;:;:;:;:;:;:}
                    ,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ     ゞイ"ヾ,:;:,ソ
                    (;:;:ノr-´^~;;r-ー⌒`    ,.、
                    "  ,,,,      _;:;:⌒ゝソ;:/
                      (;:;:丿    (;:;:;:;:;:;:;:;:;:)
                              ヾ;;;;;;;;;;;;/; \
                              ´  /;:ノ 。  。
                                  ()
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !それが或る思いもかけぬ悲劇的な出来事のために、途中で行き詰まりに
      |    ( ●)(●)  | なったのです
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l ……しかもその悲劇的な出来事が、果して正木先生の過失に
        |         }   ヽ属するものであったかどうか、というような事は誰一人
        ヽ        }  ∠_ 知る者は居なかったのです
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――                           
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                =ニ二二ニ=
                  ____
                / ~~~\
               /  ~~~  \
             /   -(◎)―(◎) \
             |   ( ( (__人__)))  |
             /     ∩ノ ⊃  /
             (  \ / _ノ |  |/ / //  /  //
             .\ “  /__|  | / //  /  // 
              . \ /___ // ///  /  // 
               |  /       //  /  //   
  ○  o           | /        //  /  //   
   ゚ ゚ 。     ゚ ゚ 。   \\   。   //  /  //    
.     \ \\   c ,,, , //  ゚   ,,,//  /  //         . ┃ ┃┃
     \o   c/´c" ミ゙ \/'~ γ´'"  ミヾっ           ┣━
  ○Oヽ  )  c///,:'⌒ヾヾ vヾ'  ////,:'⌒ヾっヾっ         ┃
 \ヽ_)  c"c,, c" ゚ 。 )、 ~''^' ,i//   `ヘっっ
  (       c   ゚     |i|!) ソ !li,'i,(       ゚ ○       .━╋━┃┃
o       )゚     。     i ノi|!゙.;il| ,,ill!    。 ゚  (        ┃┃┃
  ̄ ̄)   ・  。    ;、 ノil|! .,:;. jil;:v'll!ヽ     ・    ゚ ̄ ̄ )
.   ( ̄ ヽ    ニニ ≦三三三三三三三三三≧     (_.  ━  ┃
               ) ニニニニニ ブクブク          ━━┛
  O p/ / ) / :/         ─○
    ( / / )  / /⌒o Y⌒     \\ (   o
   ○   o O  ○   | /       ⌒ヽ )ヽ\\)
       //    Y   ○ O          ) ○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !その日が偶然にも、斎藤先生の一週忌、正命日に当っておりましたために
      |    ( ●)(●)  | 一種の『無常』といったようなものを感じられたからでも御座いましょうか……
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l ……正木先生は、その責任の全部を負われて人間界を去られたのです
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)   
         |     (__人__)    
         |     ` ⌒´ノ    その実験の中心材料となられた貴方と、あの六号室の令嬢と
         |         }     それ等に関する書類、事務その他の一切を私に委託されて……
         ヽ        }    
           / 、  ヘミ|     
        /,` 、` -`,--` ,    
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__ 
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌──────────────────────────────┐
│           ─┘……そ……それでは……                          
│ TALKING…  \ ……それじゃ……もしや僕が……正木先生の生命を呪ったのでは……
│                                              
└──────┘  └──────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
        /  ノ  ヽ\ 
        |   (●)(●) l  その反対です。正木先生は当然あなたから御自分の運命を
        |    (__人__) | 呪われるのを覚悟されて、この研究に着手されたのです
        |    ` ⌒´ | 
         |         } 
         ヽ        }  正木先生は、そうした結果になるように二十年前から覚悟をきめて
          ヽ、.,____ノ   順序正しく仕事を運んで来られたのです
 _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、 動かすべからざる研究計劃を立てて……
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_  
;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、  
;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌────────────────────────────┐
│           ─┘
│ TALKING…  \ …………それは……ドンナ手順……
│             
└──────┘  └────────────────────────────┘






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          _________________
          |ヽΞ三三三三三三三三三ΞΞΞΞΞΞ: ヽ
          | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |.                         ..|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                         ...|
          | |                         ...|
          | |                            |
          | |..                         ...|
          | |.                         |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                         ...|
          'ヽ|_________________|

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !
      |    ( ●)(●)  | それはここに在ります書類を御覧になれば、お解かりになります
      |     (__人__)  ヽ……それは申さば正木先生の遺稿とも申すべき貴重な書類で御座います
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――                           
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)  只今までお話致しました正木先生の精神科学に関する御研究の中
         |     (__人__)   その殆どは、以前から手許に引取っておられました『脳髄論』の本文と一緒に
         |     ` ⌒´ノ   自殺の直前に焼棄しまわれましたので 現在、正木先生の
         |         }    研究の内容を知るのに必要な文献はソレだけしか残っていないのです
         ヽ        }    
           / 、  ヘミ|     
        /,` 、` -`,--` ,    
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ | 
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__ 
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ 
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────┐ . ┌──────────────────────────────┐
│           ─┘『脳髄論』の本文は焼却済み……
│ TALKING…  \ 自殺の直前に焼却……では残ったこの書類こそが
│             ある意味正木先生の遺書……                                
└──────┘  └──────────────────────────────┘





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          _________________
          |ヽΞ三三三三三三三三三ΞΞΞΞΞΞ: ヽ
          | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |.                         ..|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                         ...|
          | |                         ...|
          | |                            |
          | |..                         ...|
          | |.                         |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |                         ...|
          'ヽ|_________________|

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !さようで……それを正木先生は、やはりその自決さるる直前に
      |    ( ●)(●)  | その通りの順序に重ね合わせて行かれましたので……
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l  その書類の発表された年代順にはなっていないようですが
        |         }   ヽしかしこれを順序通りに読んで行きますと、正木先生の御研究の内容が
        ヽ        }  ∠_ 理解されて行く仕掛になっているようです
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                ┌───────────┐
                │┏━━━━━━━━━┓│
                │ キチガイ地獄外道祭文 │
                │┗━━━━━━━━━┛│─────────┐
                │                │             │┐
                │  一命狂人の暗黒時代 │――アア――あああ ││
                │                │             ││
                │                │スカラカ チャカポコ  ││
                │墺国理学博士.       │             ││
                │独国哲学博士.       │             ││
                │仏国文学博士.       │.ャカポコチャカポコ. .││
                │                │             ││
                │ .面黒桜万児作歌..    │             ││
                └───────────┘             ││
                               │ナント恐ろしキチガイ地獄 ││
                               │サテモ恐ろし精神病院   ││
                               └───────────┘│
                                 └───────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !その一番初めに綴込んであります『キチガイ地獄外道祭文』のパンフレットは
      |    ( ●)(●)  | 正木先生が日本内地を遍歴される折に人を集めて配布された物です
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 現代に於ける精神病者虐待の実情を見てこれを救済すべく
        |         }   ヽ研究を初められた、そもそもの動機が歌ってあるので御座います
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   _,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,__,_,_,_
                   |                              .|
                   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄| |
                   | |地球表面ハ狂人ノ一大解放治療場 .| |    | |
                   | |_______________| | ○ | |
                   |                        | 新 | |
                   | ┌──────────┐     | 聞 | |
                   | │     ____. .   .│     |__| |
                   | │    / ⌒ΞΞ⌒ \.  . .│      ___.|
                   | │  ./(ー)―(◎)   \. ..│      |広告||
                   | │  /::(((_人_))) ::::  |. │      | : : : :||.
                   | │  |    ー       .|...│      | : : : :||
                   | │  \          / .│      | : : : :||
                   | ..└──────────┘    . ... | : : : :||
                   | 九州帝国大学              . | : : : :||
                   | 精神病科教室 正木やる夫氏談      ̄ ̄..|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !それから次に台紙に貼付けてありますのは、当地の新聞に掲載されました
      |    ( ●)(●)  | 正木先生の談話の切抜記事で御座います
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 『地球表面上は狂人の一大解放治療場』云々と題してありますのは
        |         }   ヽ正木先生の研究的立場を、辛辣な諧謔交りに新聞記者へ
        ヽ        }  ∠_、説明されましたもので 精神病理学の根本原理が卒直に論証してあります
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   _,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,_,__,_,_,_
                   |                              .|
                   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|     |
                   | |脳髄ハ物ヲ考エル処ニ非ズ     |     |
                   | |_______________|     |
                   |                            |
                   | ┌──────────┐         |
                   | │     ____. .   .│         |
                   | │    / ⌒ΞΞ⌒ \.  . .│      ___.|
                   | │  ./(ー)―(◎)   \. ..│      |広告||
                   | │  /::(((_人_))) ::::  |. │      | : : : :||.
                   | │  |    ー       .|...│      | : : : :||
                   | │  \          / .│      | : : : :||
                   | ..└──────────┘    . ... | : : : :||
                   |                         | : : : :||
                   | 正木やる夫博士再び語る          ̄ ̄..|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !次の『脳髄は物を考える処に非ず』云々と題してありますのは
      |    ( ●)(●)  | 脳髄の真の機能を明らかにされると同時に、従来の科学が解決出来なかった
      |     (__人__)  ヽ、精神病その他の奇怪現象を残らず解決した大論文
       |     ` ⌒´ノ  l 『脳髄論』の内容を、面白おかしく新聞記者に説明されたものです
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、





┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                             _____  
                            /        /│
                            / 胎児の夢 / /  
                           /       / /   
                          /        / /   
                          三三三三三. /    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !……それからその下の毛筆で書いてありますのは
      |    ( ●)(●)  | 『脳髄論』の逆定理とも見るべき『胎児の夢』の論文で御座います
      |     (__人__)  ヽ
       |     ` ⌒´ノ  l 先祖代々の心理の集積というものが、どうして胎児自身に伝わって来たか
        |         }   ヽという『心理遺伝』の内容が明示してあります
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、







┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                             _______  
                            /          ./│
                            / 空前絶後の  / /  
                           / 遺言書    / /   
                          /          ./ /
                         /正木キチガイ博士/ /          
                         三三三三三三三 /    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        / ̄ ̄\     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      /   _ノ  \   !……その次に在ります走り書きは、正木先生がそれ等の研究に
      |    ( ●)(●)  | 最後の結論を附けるべく書き残されました『解放治療の実験の結果報告』
      |     (__人__)  ヽとも見るべき正木先生の遺言書です……
       |     ` ⌒´ノ  l 
        |         }   ヽ
        ヽ        }  ∠_
       ヽ、.,__ __ノ     ^ー―――――――――――――――――――――――――――――  
-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、






┌───┐                                              ┌────┐
│教授室│                                              │11月20日│
└───┘                                              └────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   / ̄ ̄\
                 / ノ  \ \
                 |  (●)(●) |  貴方は、それ等の書類を、その順序に御覧になれば
                 |  (__人__)  |  正木先生の研究の痛快な事蹟がたやすく理解できましょう
                   .|   ` ⌒´  .}  
                 .|        .}  
                  ヽ     .  }  同時に、あなた御自身の御経歴を、裏面から支配して……
           ___._,r、   Yヽ     ノトj 
         /`ヽ_j'、_ノ ̄l!'´ヾ- 、_`_¨   」、
          ∧::::,ノ  Yヽ:::::::l:::::::ヽ     7ヽ~ヘヽ.、       
       /-'´「 ヽ ヽj_. l:::::::::::ト、  /〃ハ  |::ヽ::`:ヾ 、_  
      r'´, イ ヽ、 `,__,ィ、__)|::::l:::::ヾヽ∧'〃ノ゙ヽl:::::ヽ:::::ヽj`ヽ  
      /::'´:::::ト、  Yrイ:::::∧l::::',:::::::ヽ  Tヘ',   l::_..ノ:::::::::l::j::::',
      ,′:::::::::.}、二ィ }::::/:::::::l::::ヽ::::: ', |、、ヘ. |::\:::::::/::}.::ヘ
      i::::::::::::::::トz'_ノ,イ:::::::::::::::|:::::::',.:::::::', l、ヽヘ |:::::::|::::::::::::::j/::l
     |:::::::::::ノ \¨7/::::::::::::::::::l:::::::ト、:::::ヾ 、ヽ ',.l:::::::lー-:://:::::|
     ゝ─'-- -r-`'::::::::::::::::::::::l:::::::',.ヽ::::ヽ ヽヽ!:::::| ̄:::::/j:::::::l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    ・
                    ・
                    ・





                    ・
                    ・
                    ・
┌─────────────────────────────────┐
 私は若林博士の説明を、ここいらまでしか記憶していない
 何気なく一番初めの表紙を開いて、第一頁の標題から眼を通して行くうちに
 いつの間にか本文に釣り込まれて、無我夢中に読み続けていたので……
└─────────────────────────────────┘
                    ・
                    ・
                    ・






                    ・
                    ・
                    ・





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          _________________
          |ヽΞ三三三三三三三三三ΞΞΞΞΞΞ: ヽ
          | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                            |
          | |.                         ..|
          | |                            |
          | |                            |
          | |                         ...|
          | |                         ...|
          | |                            |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐
│rア 調べる        │  rア キチガイ地獄外道祭文
│  考える         │     正木博士談話記事
│  移動する       │     胎児の夢
│  持ち物          │     空前絶後の遺言書
│               │  └──────────────────────────┘
│  オプション       │  
└──────────┘ 







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




                     ┌───────────┐                       
                     │ キチガイ地獄外道祭文 │
                     └───────────┘
                                                      




                                           ───now loading───
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────┐ ┌──────────────────────────┐
│rア 調べる        │  rア キチガイ地獄外道祭文
│  考える         │     正木博士談話記事
│  移動する       │     胎児の夢
│  持ち物          │     空前絶後の遺言書
│               │  └──────────────────────────┘
│  オプション       │
└──────────┘
  



                                                 ┌───┐
                                                 │ つづく │
                                                 └───┘    






305 名前:◆xVSNJapEgQ[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 23:31:55.11 ID:xRu3z3go

来週の投下は都合により休ませてもらいます すいません
次回は4月3日 金曜日を予定しております



307 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 06:26:27.45 ID:01ToerUo

うおおおお!!!
毎度本当に乙です!!!
読みやすくて、本当に助かるです!!!
金曜日に期待でござる


308 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/18(水) 05:34:09.32 ID:jWbCXpco

1乙!!
まさか「やる夫」でこれが読める日が来るとは思わなかった。

ところで1ってS.L.A.Iの人?


309 名前: ◆xVSNJapEgQ[sage] 投稿日:2009/03/18(水) 23:21:00.43 ID:n1gqgfso

>>308 いえ 違いますよ 
S.L.A.Iは大好きです 影響受けてます



関連記事
スポンサーサイト
[PR]

| 19:00 |コメント(2)
カテゴリー:やる夫系AA紙芝居 ドグラ・マグラ(最終回保管済)

|

<< やる夫は戦慄のブルーなようです 第六話 キャリフォルニアベース奪還作戦 その1 | HOME | 【俗】やる夫がスモチ荘で暮らすようです 第十話『やる夫たちが仕事を探すようです』 >>

■御感想or寝言

3305 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2009/03/26(木) 18:33:20 ID:-

作者さん、乙
他に作品を作った事が有る人だろうか?


3367 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2009/03/27(金) 14:03:28 ID:-

内容もすばらしいが、AAの技術がすごい。


Page Top

■コメントの投稿(※批評は自由だけどあんまりヒドイ事言っちゃあいかんよ。)










管理者にだけ表示を許可する

Page Top

■PV

ブログパーツ ブログパーツ